今年も葉歩花庭

予告どおり行ってきましたよ葉歩花庭。記念日だからね。
普段から引きこもりがちな生活を送っているので、久しぶりに電車に乗ったら人に酔いそうになりました。えきはーひとーだらけーだー。
店に着き、お久しぶりですっていうか一年ぶりです、と挨拶もそこそこにビールを頼み、ゲビゲビ呑んでやっと落ち着きました。駅は学生の若々しい活気で溢れかえっていて、溺れそうになったものだから。今日はゆっくりしてってネ、そのつもりヨ、と笑いあったところで最初のお皿がやってきました。

  • ごま豆腐、味噌と桜型の百合根のせ
  • 帆立の蒸し物、海胆、車海老、天豆添え
  • 蛤の吸い物
  • 桜鯛と蛸のお造り
  • 筍、鯛、トコブシの焼き物
  • 鰹の炙り握り
  • おからコロッケ
  • 桜海老の御飯
  • デザート四種

最初のごま豆腐が出てきて、縁をピンクに染めて桜の花びら型に細工された百合根が添えてある時点でガコーンとショックを受けました。スゲー。
なんかね、気を使ってる店だとしても、木の芽を添えるくらいが関の山だと思うわけですよ。それが桜色の百合根ですもの。旦那さんの心遣いと真面目さを感じて、こりゃぁ今日はスげぇもの喰うことになっちゃうね、と嬉しくビビリだしたのです。
帆立の蒸し物は、箸で持ち上げたときの香りが柔らかくて、口に入れると上に香りが、下に後味が残る、ものスげぇ皿でした。つーかこの時点で「ありがとうございました」って言ってた。
蛤は、火を通して貝が開いた瞬間に上げてるに違いない。身がプルプルで甘い。
桜鯛は塩でいただいたんですが、そんな食べ方初めてだったので、非常に新鮮でした。このとき添えていただいた塩を舐めながら、ボクの鯨飲がはじまります。
続く焼き物は「そうだよね〜旨いよね〜」と声がでます。季節ものの筍をいただける喜び。そして甘い鯛。
鰹の炙り握りは「藁で炙りましたよ」と言われていたんですが、口に入れた瞬間に、ボン!と広がる香りと味わいがビックリでした。評判いいのも納得です。ご主人が焼いた皿にもマッチしてたし、赤い鰹の身にのせた芥子の黄色が効いています。
せっかくだから、といって出していただいたコロッケは、軽くてホンワカと甘くて幸せになりながら唸ってばかり。こりゃスゲェ〜ネ〜って。一緒に食べる野菜に柑橘系のドレッシングと、もしかして胡麻が隠されてんじゃないのか、なんて分析するんですが、まるで判りません。つーか旨いよ。
桜海老の御飯は、蓋を開けたときに甲殻類の香りが広がって、散々食べてきたのに涎が。ウヘヘ。残してもお土産にしてくれるそうなので、軽くいただきます。二杯喰ったけどな。
最後に甘いものでも、といって出してもらったデザートは全て手作りで、塩を効かせたキャラメルのババロアが面白くて。苺を細かく刻んで挟み込んだケーキも、アイスも、小豆寄せも、心が通っていて素晴らしかったです。
そんなこんなで約三時間。こんなにゆっくりと食事をすることなんて、年に一度だけですよ。
だしていただいた料理は、なんかスゴかった。
旦那さんに「最近は料理をしているので勉強させていただきます」なんて言った手前、一品ごとに色々考えたり書いたりしましたが、伝わってくるのは心ですな。「ビックリさせよう」とか「驚かそう」っていうパフォーマンスじゃナシに、料理に驚かされます。食べるたびに、あースゲー、そうだよな〜こうくるんだよな〜、って声にだしていたので、他のお客さんにご迷惑をおかけしたかもしれませぬ。
色々とあって今の場所での営業は今年いっぱいカモ、とのことなので、秋口に親類縁者で押しかける予定です。つーかきっと、みんな喜ぶと思う。そして、自分でまた食べたいだけじゃなくて、誰かに食べさせたいと思う料理をだしてくれる店って、素晴らしいと思う。
御礼を言って店を出るとき、旦那さんが「参考になりました?」なんて笑ってましたが、参考だなんてとてもとても、こりゃ無理です。ただひとこと、本当、ありがとうございました。

※葉歩花庭を葉歩花亭と書いてしまったので、修正しました。ごめんね、はぶかサン。