今年初おでん

今日の夕食は何にしようかと自分に聞いたら「オデンがイイよ兄サン」と即答されボクも「オデンがイイなぁ」と思ったので満場一致でオデンに決定。おでん。オデン。平仮名の方が旨そうだ。
「おでん」といえば、冬場になると駅前にでる、おでんの屋台に入ってみたくて仕方がなかったのを思い出します。屋台で酒呑みながら大根やらガンモやらをつついているシーンはTVドラマの定番でしたが、ボクの生まれ育った片田舎の駅前には交番はあっても屋台はなかったのよね。
時は流れて学生時代、友人と飲み会をすることになって待ち合わせの駅に着いたら約束の時間まで30分もある。当時のボクは時間に厳しくて、必ず早めに着いて缶ビールを呑みながら友人を待つのが定番でした。さて今日も酒屋でも探して呑みながら待とうかナ、などと思いながら改札を出たらアナタ。あるじゃないの。屋台が。おでんの。屋台が!うわぁ屋台だドウしよう入りたいな入れるかな怖そうだなドウしようかなもしかして高いんじゃないかなオヤジさんお勘定とか言ったらアィ3万円とか言われて高いって文句付けたら怖い人がでてきてボコボコにされて内臓売られたりするんじゃないのかっていうかオヤジさん自体が怖い人で突然アツアツの汁をバッっとかけられて帰れとか怒られたりしてっていうか売ってるおでん自体いつから煮込んでるのか判らないから腹壊しちゃうかもしれないし怖ェー!!と思いつつ入りました。こんにちは。
「いらっしゃい」
えっと、大根とガンモを。
「へぃ」
あ、あと熱燗をお願いします。
「へぃ」
あちちっ、もぐもぐもぐ。ふーっ、ふーっ、グビッ。うひー。もぐもぐ。
「・・・」
グビ。(お品書きが無いな)もぐもぐ。(値段もわからないや)もぐもぐ。(どうしよう)グビ。すいません。
「へぃ」
はんぺんを追加で。
「へぃ」
はひはひ(うわぁ、こっち見てるよ)もぐもぐ。(やめときゃよかった)グビ。(ケツの毛まで抜かれちゃうんだろうなぁ)グビ。(あぁぁ、もう二度と屋台なんて入らねぇ)グビ。ごちそうさまでした。
「へぃ、720円になります。」
はえ
思っていた以上に安く、内臓を売られることも熱い汁をかけられることもなく、初屋台は終わりました。あまりの普通さに呆然としながら駅へ戻り、待っていた友人に遅いとコヅかれながら飲み会へ。しこたま呑んだ帰りの駅前には、もう屋台はありませんでした。あの屋台は入ってみたいと思い焦がれたボクに妖精の見せた幻だったのかもしれません。おでんの精か。しょうゆ味なのかな。
追記:ちがう!この記憶は捏造されているぞ!!たしか最初にビール頼んだら中瓶がでてきて呑んでから熱燗頼んだんだ。そしてお会計頼んだら「1720円」って言われて『高ぇよバカー!!』と思いつつも怖くて素直に支払ったんダッ!!あれ?それは別のラーメン屋台かな?あれれ?おや?