Podcast素敵話

楽しみにさせていただいている音声サークル@ネットラジオもやってるゼさんが「Podcast対応すっかな。んで、それって旨いの?」といっているのでメモー。BBSに長文を書き込むよりもトラックバック。テクノロジーLOVE。さりげなく。キャノ。ぐびり。うぃ〜。
個人的にはPodcast対応のラジオをメインで楽しませていただいているので大賛成のスタンスなのを事前にお伝えしておき、ちょいと昔の思い出話からはじまります。



数年前のWebサイトは「毎日更新して毎日来てもらう」のが基本でした。これは、当時のサイトを評価する基準が総アクセス数や総ヒット数だったため「ヒット数が多い=成功」という意識があったのが原因です。
更新すればするだけ多くのヒット数を集める構図は、月一更新から毎週更新、毎日更新、毎時間更新、ヘタすりゃ毎分更新へとエスカレートしてゆき、更新頻度の高さゆえの負荷にWebマスターは悲鳴をあげ、更新されない日の掲示板は「楽しみにしているのに何故更新されないのか」「彼は死にました」「いつも観にきている者の身にもなって欲しい」「連絡がないのは不誠実だ」「私の書き込みに返事がないのは何故ですか」「メールしてから10分も経ったのに返事が来ない」「雑誌に載せますので問題があったら今日中にお返事ください」といった愉快な書き込みであふれ返り、ボクは仕事を放り出して再読み込みを繰り返す猿になるのでした。
多くのサイトが開設と封鎖を繰り返しながら、日記サイトは数日〜毎日更新へ、ニュースサイトは更新頻度を上げる、といった棲み分けが行われ、更新頻度が多いほうが偉い、といった無意味な風潮は沈静化したかのように見えました。
しかしボクはといえば、相変わらず10分ごとにサイトを訪れ、たとえ日記サイトであっても朝晩深夜の三回観て廻るのを基準とする日々が続いていました。
お気に入りのサイトが片手で足りていた時には何も問題がありませんでした。そのうち巡回するサイトの数は両手で足りなくなり、両手両足でも足りなくなり、出社してから午前中全部をサイト廻りに費やしても足りなくなった時、ボクは呟いたのです。「ダメだこりゃ」。

問題は、50以上ものサイトを毎日チェックしなければならないことでした。なかには半年のあいだ更新されないサイトもありましたが、「この瞬間に更新されて掲示板で楽しい書き込みが行われていたら」「せっかく更新したのに反応がない・・・なんて思われて更新が永遠に止まったら」などと考えると、恐怖でアクセスせずにはいられませんでした。そう、ボクは『話題に乗り遅れる』のを恐怖するあまり、それが自らに課せられた義務であるかのように再読み込みしつづけていたんです。
午前中の仕事を放り出し、更新されたか/されていないかも分からないサイトが登録された長々しいブックマークをクリックしながら、更新したサイトだけを知る方法はないモンか、と思っていたボクが出会ったのが「はてなアンテナ」でした。
アンテナにサイトURLを登録し、更新があると知らせてくれる。このサービスのおかげで、更新されたか確かめるだけのために多数のサイトにアクセスする必要は無くなりました。時間が出来たら「はてなアンテナ」にアクセスするだけで、更新されたサイトが判る。スバラシイ。ボクは午前中の仕事時間を取り戻し、サイトを読む時間を自分で決められるようになりました。
この変化は、ボクに「コンテンツと消費者の優位性が逆転した」と考えさせるだけのインパクトを与えました。コンテンツは、それまでの「待ち構えている消費者へタイミングをみて与える」ものから「消費者が好きなときに消費していただく」ものへと変化しました。今までのように消費者自らが出向かなくとも、コンテンツのほうから並んでくれ、消費者は選ぶだけでイイ。世界が揺らぐ衝撃です。

時は少しだけ流れてRSSが誕生。更新はサイト単位から記事単位になるだけに留まらず、複数のサイトから更新部分だけを切り出して表示することまで出来るようになり、読み手はますます自由を手に入れます。
そしてPodcastの誕生。テキスト主体だったコンテンツに音声が加わり、消費者はますます趣向の幅を広げます。



というワケで、Podcastへの対応は、あくまでもユーザ主体で便利になる、というお話でした。別の面から言えば

  • 一度Podcastに登録したユーザはマシンクラッシュでもしないかぎりDL(購読)し続けるだろう
  • 音声ブログ業界が人気コンテンツに餓えているうちに圧倒的クオリティで負けない勝負
  • 今までのサイトリスナーに加え、新たなPodcastリスナーの取り込み

といった利点もありますが、労力と魅力の天秤でしょうか。ちなみに、RMってiPodで再生できないんじゃないかしら?

最初は長所vs短所の比較表を書こうかと思ったのですが、自分でネットラジオやってるわけでもない単純リスナーがソレをやるのは信憑性も無いし失礼だろ、というワケで思っていたことをまとめましたヨ。実をいうと「消費者」というキーワードにも反感を覚えるかなぁ、という不安があったんですが、適当な代名詞が思い浮かばなくて。