餃子を喰ってて愚痴を聞く

昼飯に餃子を食べに行きました。ラー油多めの酢は少なめにしてフンガフンガと貪っていたんですが、さすがに昼食時は混雑するので相席をお願いされました。はいはいドーゾドーゾ。
先客であるボクに声を掛けてから座ったのは、グレーのスーツを着込んだサラリーメンが2人。片方はお年を召しているようだから上司と部下って関係かと思いましたが、フランクな話っプリからすると老け顔の同僚なのかもしれません。フケ顔が不機嫌そうに話すと、もう一人が弁解めいた表情で答えます。モグモグ。以下は会話とボクのツッコミです。
「だからさー、今のね、若者はね、将来のビジョンが見えてないって言ってるんですよ」
「そう言いますけど、将来成りたいものだってあると思うんです」
「ないよ。ないね。だいたい将来何になるっていうんですか」
なんで言い切ってんだ?
「もっとSEとしての能力を高めるですとか、新しいプログラムをですね」
「あ〜、ダメダメ。第一、将来もSEなんて仕事があるかどうかもわからないじゃないですか」
それを言ったら何も進まないと思うけどな。
「いや、今後もプログラマーという職業は無くならないと」
「これね、携帯電話。わかる?これコンピューターだよ。みんながコンピューターを持ち歩く時代が来るなんて思わなかったよ。考えもつかなかった」
おまえが思いつかなかったダケだろ。
「えぇ、そうですが、その流れは見えていたはずですし」
「そんなねー、これから10年、20年後にどんな社会になってるかなんて、誰も言えやしないんですよ。言えますか?言えませんよ」
やけに決めてかかるオッサンだなぁ。
「はぁ」
「もっとね、50代、40代、30代、20代、どんなオヤジになるのかって事なんですよ」
そんな話だったんですか。
「しかしですね、未来のことは考えてきたと思うんです。たとえば鉄腕アトムが出来るような未来をみんなが考えていたワケですし」
鉄腕アトム手塚治虫の夢だ。みんなの見た未来じゃない。
ごちそーさまでーす。アリガトウゴザイマシター。食い終わったので店をでました。隣に座った老け顔に「お前、馬鹿なんじゃネェの?」って言いたかったけどガマンした。典型的な現状愚痴で、何を話したいのかワカラン。そして若者を嘆く野郎は自分自身が年寄りに嘆かれている事を知るべきだ。このまま聞いてたら「どうせ世紀末がきてグランド・クロスで人類は滅亡するんだ、働いたって無意味だよ」とか言い出しそう。そこまで言い出したら、それはソレで面白かったんだけど。そして同席してた人にも、君の未来は自分で考えたものじゃなくて、誰かが描いた夢に乗っかってるダケだ、と言ってしまいたい。
なんで不機嫌に話していたのか判らなかったけれど、ずいぶんと夢のないオッサンだった。反面教師として、オッサンみたいなオッサンにならないようにしよう、という事は最近の若者でも考えたヨ。