仕事と自分と想像力

id:zoot32さんのエントリを読んで、ホホウナルホド、と思った。http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20060411
僕は今までも「自分の仕事に関するスタンスが『一般』と違う」と感じていました。
僕自身は、専攻した分野で就職をしたので、経済学部卒業だけど営業職、とか、人文学部卒業だけど事務職、とかのひとを見るたびに「なぜ勉強したことで仕事をしないのか」とムズムズした違和感を感じていたのよね。勉強したことが仕事で活かせねぇから1から始めなきゃならなくなって、五月病で辞めたりするんじゃねぇの?と。
しかしid:zoot32さんは言うのだ。

働くということに対するイメージが、すこし貧しいように感じた。

ななななな、なんと。
確かに。自分の仕事に関するスタンスが「やりたいことやってメシ喰えるのは幸せ」だからといって、スタンスの違う人の仕事への関係を「お前とは違う。ヨクワカラン。」と言ってしまうのは想像力の不足だった。ガツンとやられた。思い知らされた。自分が感じている「仕事」のイメージを絶対視するあまり、別の角度で考えていなかった。
仕事は勉強をする場ではないけれど、仕事で勉強をするのは素晴らしいことだと思います。成長し、ぜひ本当のプロフェッショナルになっていただきたい。心の中の校長先生が祝辞をくれたので、ガンバリたいと思います。

 仕事、別の角度から

学生のころ、とても好きだった教授が「本当のプロフェッショナルはね、優しいものです。」と言っていたのを思い出す。
そして世間には優しくない人が多いじゃないか、と思う。同僚に優しくない、食材に優しくない、客に優しくない、仕事に優しくない。それなら連中は本当のプロフェッショナルではない、ということにならないか。プロ意識のない奴がナントナ〜ク仕事をしているせいで誰かを悲しませていることにならないか。
誇りのない仕事っぷりは、自分だけでなく誰かを傷つけていると知れ。心に刻もう。

 おじぃさんも、よろこんでらす。

祖父のン回忌があったので、スーツを着込んで顔出してきました。そろそろ着きますよ、と連絡を入れると「忙しいんで夕食の準備ができないから何か喰ってから来い」とのお返事。久しぶりなので手料理でも、という夢は儚くちぎれ、せっかくだからファミレスじゃなくて地元っぽいモン喰おうぜ、となりました。
どこで喰おうかと考えていると、以前働いていた会社の近くを通りかかったので懐かしの店でも冷やかしにいこう、ということに。つーかこの辺に来るの10年ぶりだけど、当時食べていた店なんてまだあるのか。
ボヤけた記憶を手繰りながら路地裏を進むと、まるで当然だというようにありました「福屋 とんかつ」さん。http://maruko.cup.com/fukuya.html
懐かしさに怒りすら感じながら引き戸を開けると、カウンターの内側にはお客を仕切る二代目の息子が。うわぁ懐かしい、ちゃんとやってんのか息子め、親父は元気かコノヤロウ。
そんな軽口をたたけるハズもなく、カウンターに座ってカツ丼を頼みましょう。カツ丼ひとつ、ごはん少なめで。ヘェ〜イ。
手際よく肉に衣をつける二代目を見ながら、当時の親父さんがつくるカツ丼が安いわ旨いわ大感激だったのを思い出します。ウメーブバーと言いながら通ってるうちに二代目が手伝うようになって、やっぱり親父さんの揚げた方が旨いナァ、なんて生意気なことを考えていたもんだ。
ほどなく出てきたカツ丼はソースがダクダクで辛かったけれど、サックリ揚がったカツに山椒の香りが効いていて、やっぱコレだね〜と思わされました。腕をあげたなコノヤロウ。今度はソース少なめで頼もう。

満腹でヨタヨタしながら駅を通りぬけ、どうせだから酒でも買おうと「酒のいさごや」に。http://maruko.cup.com/isagoya.html
店に入ってすぐのタンクに入っている生原酒を試飲させてもらい、ネットリ濃いのに後味さわやかな不思議な酒を贈答用と自分用に二本購入。駅前が再開発されてるし活気ありますね、と店のお母さんに言ったら、みんな自分のお店は閉めちゃって人に貸してるんですよ、ウチだって息子が手伝ってくれるからやってるようなもんです、と。いい息子さんですね。そしていい酒だ。
いい気分で自宅へ顔を出し、さっそく酒を呑みはじめたらウメェウメェと笑ってる間に二本とも呑みきってしまいました。普段は日本酒は苦手だという子も喜んで呑んでくれて、満足です。
翌日、法事のあとで久保田を呑みながら「昨日の酒のほうがイイね」なんて贅沢なことを言いだす家族に驚きつつ、また10年経ったらメシを喰いに行こうと思いました。酒屋には今週末にでも行きたい。