コラテラル

金髪で殺し屋のトム・クルーズさんがタクシーに乗ってバンバンバン!!さぁドウする困ったね、という映画。公開時の評判はあまり聞きませんでしたが、気になっていたので観たら、とても面白かったです。
トム・クルーズジェイミー・フォックス、ジェイダ・ピンケット=スミスといった、キャラクターとしては微妙に濃いカンジの俳優さんが演じているんですが、ひとりだけ目立ったり浮いたりせず、みなさんサラサラと流れる印象でバランスよかったです。芝居巧いな、お前ら。
絵造りの面でも「殺すの慣れてンだな〜」とか「こいつビビってンだな〜」とか心理描写を描くのに説明くさい台詞をいわせたり、奇妙なストップモーションや長廻しをいれたり、といったドラマチックな手法は「使っていない」のも好みでした。ただそのせいか、運転手が強気になっていく終盤は、よくわからんようになっていたけど。
メインの舞台でもあるタクシーの中で話す台詞は「お前はやると口でいってるだけで満足してる」(適当)だの「みんな1年後の心配はするが10分後のことも判りはしない」(適当)だのと示唆に満ちていて、自分のことを言われているようでキツーく感じましたが、それだからこそ、この映画を観てヨカッタですわ。
スタイリッシュな部分や登場人物に感情移入できる部分が少なかったのが話題にならなかった理由かもしれませんが、ドキドキハラハラ映画というよりトム・クルーズ説教映画として評価したいと思います。
DVD購入指数は「借りるじゃなくて買おう」で。