おでん屋で切腹

昼食を食べた後、会社へ戻ろうと狭い路地を歩いていたら、小走りにボクを追い抜いていく2人の男性。スーツにコートを羽織って、どこから見ても立派な社会人風なのに、こんな狭い道を走るとは何事だ。驚いていると、路地に面したおでんやの前で2人は立ち止まりました。昼食時には楽しそうなOLさんが屯って道を塞ぐ、それなりに有名な店。そうか、おでん喰いにきたのか。ボクは昼食を済ませて帰るところだから、追い抜かなくてもイイのに。フヒョヘヒョヒョと奇妙な笑いを浮かべて余裕をカマしましたが、2人とも店の前に立ち止まるだけで、店に入ろうとしません。なんだよ道狭いんだから早く入れよな。体を斜めにして後ろをすり抜けながら、店に入らない2人の視線を追うと、入り口に貼り付けられた「本日のランチは終了しました」の文字が書かれたダンボールが。ダンボールかよ!(三村)
ランチは終了したと告げるダンボール。立ちつくす2人の社会人。もしかしたら悪戯なんじゃないのか、と言わんばかりの状況に、ボクも思わず立ち止まりそうになった瞬間、社会人の一人が「・・・残念、切腹!」と呟きました。本当に使う一般人っているんだ。しかもキーワードだけで捻りもない使い方だ。寒い。おでん喰いたい。