ジャージーnot牛乳

年越しは実家に行ってたのですが、アミューズメントなスポットなぞ何処にもナッスィングな田舎なので暇で暇で仕方が無く、古本屋を巡ったり絶対に当たらないルーレットゲームで執拗にPSPを狙い続けたりジャージを買いに行ってました。ジャージを。買いに。
親から借りた車を「ペーパードライバーです」と一目でわかる運転で乗り付けた妙にデカいスポーツ用品店は、新年の初売りアイテムと福袋を求める家族連れでごった返していましたが、ぐるぐると歩き回って試着しまくり、購入候補を2つにまで絞り込みました。うむ。どちらにしよう。ぬぬぬ。どちらに。どちらに。どちらに!鏡の前で着たり脱いだり着たり脱いだりを繰り返しながら悩みます。実家に来るのなんて盆と正月程度だから、今回を逃したらジャージを買う機会にはそうそう巡り会いません。考えねば。悩まなければ。選ばなければ。よし!面倒だから両方買いました。
まだ昼過ぎだというのに精根尽き果てて早く帰りたいオーラを発っしている店員さんに精算して貰うと、お釣りの上に「新春おとしだまスクラッチカード」なるモノが。何コレ?「スクラッチを削っていただくと、でた金額の商品券としてお使いいただけますハァァァ(ため息)」そうなの。アリガトウね。「ありがとうございましたーハァァァ(ため息)」どうせ当たらないのよねクジ運悪いし。ジャージなのにキレイに折りたたんで入れてくれた袋にスクラッチカードを投げ込み、ペーパードライバーだから許してくれといわんばかりの運転で実家へ戻りました。
車を降りると母親が待ってましたと言わんばかりの笑顔で待ちかまえています。「何買ってきたの?」ジャージ。「ふ〜ん。見せて。」なんで?!「見たいから。イイじゃん。」イイけど・・・。「早くぅ。」なにが”くぅ”だ。はい、コレ。僕が袋を渡すとガサゴソとジャージを取り出して広げます。「アンタ、ジャージ好きねぇ。」イイじゃん。「イイけどさぁ。ね、着てみなさいよ。」へ?「せっかく買ったんだから着てみなさいって!」えぇぇぇ?!
もうオッサンだってのに、実家で母親に見られながらジャージに着替えました。そういや昔から服を買ってくると着てみろ見せろと強請る親だった。僕もオッサンになったのに、いつまでも子供というワケか。ほら、こんなカンジ。「地味ねぇ。」ほっとけ。「こっちも着なさいよ。」2着目の試着もご希望です。ほら。「ふ〜ん。」興味ないなら着替えさせるなよ。「あら、これ何?」何って?あぁスクラッチカード。ジャージ買ったらくれた。「ケズっていい?!」目を輝かせて母親が聞きます。ボクのクジ運の悪さはアナタからの遺伝だと思っていたんだけれど。イイよ。どうせ当たらない。小銭を取り出し、夢中でケズる母親。あんた子供か。「あ。」なに。「5000円だって。」へ?「5000円当たっちゃった♪」スげぇなオイ。「靴下が欲しい。」なんだソリャ。自分で買いに行きなさい。「じゃぁいらない。」なんだソリャ。
クジ運の悪さは遺伝だと思っていたんですが、新年早々に崩される遺伝説。同じスクラッチカードなんだから誰がケズっても同じ金額がでるハズですが、はたして僕がケズっても当たったろうか。自信がない。当たりカードなんだから当たるに決まってる。しかし・・・。意味もなく不安になります。それくらいクジ運が悪いんです。母親の遺伝じゃナイなら何なんだ。そうか、父親の遺伝だな。僕のクジ運が悪いのは父親の責任です。ナルホドネ!
その後、ペーパードライバーだけど微妙に慣れた運転でスポーツ用品店に戻り、ジャージをもう一枚買いました。家に帰ったら試着させられました。