高畑さんと没入感

昨日「アイ,ロボット」を観た感想として「主人公でもロボットでも構わないから、もうちっと「誰かの目線」があったら感情移入できたのにな」と書いたらスタジオ・ジブリの高畑さんが「主人公と一緒にドキドキする映画ばかりで感情移入して泣けるか泣けないかだけ」(意訳)だと話しているインタビューを読みました。あら、まぁ。
そういや高畑さんの監督した映画「ほたるの墓」も「平成狸合戦ポンポコ」も妙に淡々としてると思ってたけど狙ってたのね。「となりの山田君」や「キリクと魔女」(これは紹介だけ)は観てないので判りませんが。「ほたるの墓」なんて、淡々としてるのが余計に辛くて二度と観らません。実は全編通して観たことも無い(!)のです。
なんだろう、高畑さんは何をいいたいんじゃ?と思ったら「観客が受動的ではなく能動的であること」だとズバッっと書いてありました。なるほどね。没入するものは裏を返せば安心だ、と。目を背けてしまえば逃れられるから。現実は苦しいことも多いし理不尽なことも多いけど全て咀嚼して消化して答えを出せるほど人生時間は無いから人間ってのは忘れっぽく出来てんだよ、というのを思い出した。キツイ。