キャシャーン

たったひとつの命を捨てて、生まれ変わった不死身の体。鉄の悪魔を叩いて砕く。キャシャーンがやらねば誰がやる。で御馴染み竜の子プロダクション製作のアニメーションが原作だと思わせて「キャシャーンってかっこいいよね」ってな印象だけを借りてきた映画を観ましたヨ。レンタル屋の開店記念で90円。
公開前のトレイラーで、敵大将役の唐沢サンが演説をブッっているのを観て「ウヒョーゥ!」と叫びながらも観なかった一本です。
製作総指揮だか監督だかがビデオクリップの製作をしている人で、長編撮るのは初ですぜ、という触れ込みの映画ですが、カットごとにイカス色使いを見せてくれたり、花びらが舞い落ちる中で家族に会話をさせたり、単純にキレイね〜ってな感想をもちました。さすがビデオクリップの経験者、短い時間で印象に残るシーンの作り方は素敵です。イイですねぇ。シーンが、短か、ければ。
ストーリーは製作サイドはあるつもりなんでしょうが、ありません。映像で見せられずに説明だらけの台詞を俳優に永遠としゃべらせるのは、常に歌詞が聞こえてるビデオクリップに慣れすぎて、映像に言葉が入ってないと不安になっちゃうんだろうか、と心配するほど。役者が長くしゃべればしゃべるほど、唐沢サンの長演説が霞みます。もったいねー。
映画自体も長く、やっと終わりか〜と思ってから+1時間続きます。初監督なんだから、もっと単純化して殺ぎ落として「僕はこういう映画が作りたいデス!」って自己主張したほうがイイのに。アクションもヌルイというより何が映ってるのかワカンナイのでツマンナイです。台詞は長演説だけで残りは字幕にして、30分映画を4本作ったら、きっともっと世界観も活きて面白かったと思う。キャシャーンの苦悩と悲しみだけで十分だろ。キャシャーンなんだし。
DVD購入指数は「忘れてあげなさい」で。